栄新テクノ株式会社

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電気事業

高圧ケーブル

高圧ケーブルとは

高圧受電設備に電力を供給している設備として、高圧ケーブルが配線されています。 高圧ケーブルには、3本の電線を1本のケーブルにまとめたCVケーブルと、3本の電線を縒り合せたCV-Tケーブルが有ります。

ケーブルの劣化と波及事故

高圧電力の送電を行っている高圧ケーブルも他の製品と同じで、経年劣化をします。ケーブルの劣化には、電気的劣化・熱的劣化・化学的劣化・機械的劣化・生物的劣化が有ります。ケーブルの劣化による事故は、当該受電家だけではなく周囲の施設へも波及する事故となり多大な損害を近隣に与える可能性が有ります。

ケーブルの劣化要因は上記に記されたように多種多様ですが、主たる劣化要因は電気的な要因と考えられます。 高圧ケーブルの製造方式は、水蒸気架橋と乾式架橋が有ります。

水蒸気架橋は、1985年以前に製造されたケーブルの仕様で水蒸気を使用し、加熱冷却媒体として水を使用する架橋方法です。水蒸気を使用する為、絶縁体内に微小水滴が残存し電気性能に影響を与えます。

乾式架橋は、水蒸気架橋に影響を与えていた水分の拡散、残存を防ぐために開発された方式です。

高圧ケーブルの老朽化に伴いケーブルが焼け漏電事故が発生。
上記は実際に起こった高圧ケーブルの劣化に伴う破損状況です。
このビルは当然のことながら全館が停電となりましたが、近隣に至っても約4時間に亘り停電となってしまいました。このような事故となる前に既存診断を行い、事故を未然に防げるよう定期的な更新が必要です。

ケーブルの更新推奨時期

ケーブルの更新推奨時期は前項で記載した製造年での判断と敷設(ケーブルが配線されている状態)状況にもよりますが、下記のようになります。

水の影響の有無 目安耐用年数
屋内敷設(水の影響がない) 20年~30年
直接埋設・管路・屋外ピット敷設(水の影響あり) 10年~20年

※但し、正常な状況で使用された場合の耐用年数のおおよそ目安です。

一般的に電気製品の寿命とは、使用上の安全性、信頼性が維持できなくなるまでの期間を示しますが、高圧ケーブルの場合、使用環境や使用状況によって大きく変化します。特に水の影響によって寿命は短くなります。ケーブルの更新推奨時期は、寿命に至る前を指しケーブルの仕様上の安全性や信頼性保守点検の経費から更新するのが有利と考えられる時期である必要があります。

弊社が施工を行った高圧ケーブルの製造年は、平均して20年以上が経過したケーブルで有り、水の影響がない場所での敷設環境でも更新目安の時期となっています。

20年以上使用したケーブルは、減価償却資産に定められた法定耐用年数の15年に該当し、保守点検の経費等から更新することが有利と考えられます。

最後に高圧受電設備の更新は、ケーブル単体でも行える工事ですが設備全体として計画し更新するのが、ベターだと考えられます。ビル・建物の心臓部である高圧受電設備の事故は、該当建物も被害にあいますが、周囲の建物にも影響を与えます。

電気設備の保守点検で不具合箇所が見つかれば、更新を考える時期と思って下さい。